調べものしてたら、更新する時間がなくなってしまいました……。
今日も調べものの真っ最中。まだ途中なので書くに書けないのですが、途中経過ということで、少しは書いておきましょう(笑)
芥川といふ河を率て行きければ、草の上に置きたりける露を、
「かれは何ぞ」
となむ男に問ひける。
調べていたのは、「行きければ」の「ば」。これが奥が深い!!
簡単に説明しておきますと「ば」の用法は2つです。
「未然形+ば」と「已然形+ば」ですね。
「未然形+ば」は仮定条件と呼ばれ、「(まだそうじゃないんだけど、もしそう)ならば」という具合に訳します。
「具合に」なんて曖昧な表現をしているのは、場合に応じて言葉を選ぶ必要があるからですね。
で、用例ですが、これにはまってしまいました。並べてみましょう。
①悪人のまねとて人を殺さば、悪人なり(徒然草85)
→悪人のまねだといって人を殺すならば、(それは)悪人である。
(以上、数研出版「体系古典文法」)
②宮仕へに出だし立てば、死ぬべし。(竹取物語)
→宮仕えに出すならば、死ぬつもりだ。
(以上 尚文出版「これからの古典文法」)
③折りとらば惜しげにもあるか桜花いざやど借りて散るまでは見ん(古今/春上)
→もし折取ったらいかにも惜しいなあ。桜の花をさあ宿をとって散るまでみよう。
④都にあるならば、またうきめをもみむずらん(平家1・祇王)
→こうして都にいたら、またつらいめをもみるだろう
(以上 文英堂「全解古語辞典」)
⑤ただ今、行方なく飛び失せなば、いかが思ふべき(更級日記・大納言殿の姫君)
→たった今、(私が)行く先も知れず飛んでいなくなってしまったら、(あなたは)どう思うつもりなのか
⑥道長が家より帝、后立ちたまふべきものならば、この矢当たれ(大鏡・道長上)
→(この私)道長の家から天皇や、皇后の位にお就きになる(人物が出る)はずのものであるならば、この矢が命中しろ
以上「ベネッセ全訳古語辞典」
いや、でるわでるわ、何が面白いって、辞書・参考書で例文が見事に重ならないんですね。
これって偶然なんですかね?
で、「已然形+ば」は明日。も少し調べさせてください。
PR